数あるパーツの中でも最も悩ましいのがホイールではないでしょうか。
だって、他のパーツとは(文字通りに)桁が違うから…
そのホイールの選び方について、僕が購入するに当たり検討したポイントをまとめております。
つまり、万人に薄く広く刺さるようなありきたりな内容ではなく、一部の僕と同じ考えの人にクリティカルヒットするような記事に仕上がっております。
「この人がそう言ってるんだからか間違いない」ではなく、
「ああ、こういう考えの人もいるんだな。自分はこう考えよう」
という感じに、答えとして使うのではなく、参考にお使いいただければと思います。
2022/4にCanyon Endurace 購入
・好き:知らない土地へのロングライド
・苦手:ヒルクライム, 向かい風
・目標:2023年度ブルベSR獲得
文量が多いです。要点は太字でまとめております。
何故ホイールを買うか・目的
より自転車を楽しく、楽に乗るため
僕は、ブルベとかのロングライドを中心に自転車を楽しんでいます。
なので速さは求めていません。
求めていないと言うと大げさですが、とにかく優先順位は低いです。
それよりも、どれだけ楽しく乗れるか、どれだけ楽に色んな所に行けるかに重点を置いています。
だからフレームもエンデュランスモデルですし、タイヤも太めの28cを履いています。
なのでホイールも同じ考えで選びました。
僕がロードバイクに乗っていて楽しくないなと感じるのは2点あります。
1つ目は、上り坂や向かい風のとき。
2つ目は、お尻を始めとした体に痛み等が出てきてしまうときです。
共感いただける方は多いはず。
ロングになればなるほど、機材の力を借りてでも解決したいものです。
どんな道でも80点取れるホイールにするため
特に200kmを超えると、平坦だけ/山だけ、のコースはあまりないのではないでしょうか。
なので、平坦特化のディープリムや、ヒルクライム特化の超軽量ホイールを選択するつもりはありませんでした。
器用貧乏でいいんですよ。
100点とかいらないです。特化せず、どんな道でも80点くらい取れれば御の字です。
その結果として、どんなルートでもつつがなく走れるようになれればいいなーって感じです。
今は、体感ですが、どんな道でも50点くらいなんですよ笑
目標を達成する確率を上げるため
このブログでは散々言っていますが、僕の2023年度の目標はブルベ600完走でのSR達成です。
決して簡単じゃないと思います。
まだ最高距離が300kmなので想像の範囲ですが、走力だけでなく、計画性や運も大きく影響するのかなと思っています。
機材変えたからと言って簡単にクリアできるとは一切思っていませんが、それで少しでも確率が上がれば設けもんですよね笑
機材もアップグレードできて、気分も良くなって、目標も達成できれば笑
必須条件
そんな目的のもと、いよいよどうやってホイールを選定していったかに入っていきます。
必須条件に関しては当たり前の事が多いので、さーっと飛ばしていただければ。
ディスクブレーキ対応
ディスクブレーキ仕様のフレームなので。
以上です。
チューブレスレディ対応
もうクリンチャーには戻れません、、
この乗り心地と耐パンク性を手放すのはありえないです笑
色んな意見あるかとは思いますが、僕は断然チューブレスレディ派なので。
必須です。
28cのタイヤ対応
これもチューブレスレディと似ていますが、スピード求めず距離を行きたいので、これくらいの幅が良いのではないでしょうか。
ショップの方にもおすすめいただきましたし。
ちなみに詳しくは後述しますが、”対応”と”相性がいい”は別です。
必須は”対応”ですが、その上でできるだけ”相性がいい”ホイールを探しました。
予算以内
今回、僕の予算は15万円前後以内にしました。
理由はもちろんお財布事情もありますが、もう一つあります。
概ね各社、ミドルグレードが買える値段だからです。
この15万円を超えると、次は20万円前後ってあまりなく、20万円後半になってしまう印象でした。
僕は、ハイエンドモデルは要りません。
そのお金があるなら、美味しいものを食べたいと思う派です。
けどエントリーモデルを購入すると、きっとその先にミドルグレードがまた欲しくなると思います。
なので最初から少し自分的には奮発をし、15万円前後まで予算を広げました。
“15万円前後”というのは、16万円ならいいけど、17万円だとぐぬぬぬぬ、、、という感じです笑
デザインが好み
やっぱり外見は外せないですよねぇ笑
プロとかレースで優勝を目指すような人はデザイン云々言ってる場合じゃないかもですが、僕はそういう立場ではないので。
好みというか条件はこんな感じです。
●リムがマットブラック
●華美なロゴデザインが入っていない
●ワンポイントの色が入っていない(MAVICの黄色など)
●出来るだけ無地、もしくは落ち着いた柄
こればっかりは人によるとしか言えないので、ご参考程度に見ていただければと思います。
考慮ポイント
さてさて、ここからが楽しい所ですよね。
どうやって自分好みの、用途に適しているホイールを選ぶかの話になって参ります。
重量
みんな気になる所ですよね笑
数字ではっきり現れるのでわかりやすいですし。
軽量化って、なんか憧れますよね笑
ただ、軽ければ軽いほど良い訳ではありません。
何事もバランスが大切です。
得意/不得意
■軽量ホイール
○得意 :加速(登り, 向かい風)
✕不得意:速度維持
■重量ホイール
○得意 :速度維持
✕不得意:加速(登り, 向かい風)
めっちゃ大雑把ですがこんな感じです。
軽ければ軽いほど良いって訳ではないんですよね。
何かに特化してはいけないのです。
突然ですが、マリオカートを思い出してください。
軽量のキノピオは、加速性能高いですが最高速は低いですよね。
重量のクッパは、加速性能低いですが最高速は高いですよね。
そういうことです。
重さは場合によっては正義になります。
YouTuberのなななチャンネルさんが、経験をもとに語ってくださっていますので是非ご参考ください。
リムハイトとの相関
当たり前のことを言います。
後述するリムハイトが高ければ高いほど、重くなります。
低ければ低いほど、軽くなります。
リムハイトが高くて軽いホイールがあればいいんですけどね笑
そうは問屋が卸しません。
特化せずに、このバランスを取る事が大事になってきます。
注意事項
細かい話ですが、大切なのはホイール全体の重さではなく、リムが軽いホイールです。
ホイール全重量が軽くとも、中心部にあるハブだけが軽く外心部にあるリムが重いのであれば、それは重量ホイールと同じような感じになるそうです。
回転体は、より外側にあるものの方が影響を受けやすい法則です。
(まあ、リムだけの重量出しているメーカーなんて殆どないので考えても仕方ないのですが…笑)
僕の結論
『1,500g前後が希望。但し、優先順位は高くしない』
重量は、素材やリムハイトなどに大きく起因しますので、そちらをメインに考え、結果としての重量を強く求めることは止めにしました。
但しあまりにも重いものはNGです。登り、楽になりたいので。
リムハイト
エアロ性能
みんな大好きエアロのお時間です!
空気抵抗、少ないに越したことないですよね。
ただ本当にそこまで空気抵抗を”ホイールで”減らす必要があるのでしょうか。
僕は少し疑問です。
何故なら、僕はブルベ・ロングライド勢だから。
リムハイトを高くすると空気抵抗は基本的に良くなりますが、同時に失うものもあります。
それに、空気抵抗を減らす手段は他にいくらでもあります。
重さ
前述した通り、リムハイトが高くなればなるほど重くなります。
ブルベは山も走りますし、信号スタートもめちゃくちゃ多いです。
リムハイトを高くして平坦区間に特化してはいけませんよね。
横風の影響
川にかかっている大きい橋を渡る時とか、恐怖に感じることありませんか?
普段だったらそんなのちょっとハンドルを取られる程度かもしれませんが、もしそれが500km経過地点だったらどうしましょうか。
眠いし疲れているし、判断力も下がっているはずです。
その危険を冒してまでディープリムにする理由は、僕には思い付きませんでした。
見た目
すっごい個人的な話なんですけど、僕、そこまでディープリムに憧れが無いんですよね…笑
かっこいいとは思いますが、恐らく他の人よりは惹かれない。
なので、潔くここは切りました。
ディープリムにロマンを感じる方は、妥協せずに追い求めてください。
どうせ欲しくなってしまうのだから笑
雑談
ちなみに僕、リムハイトが高いとリム部分の空気をうまく流してくれるから空気抵抗が減ると思っていたのですが、
それよりもスポークが短くなる方が恩恵が大きいみたいですね。
さらにディープになればなるほど、リム本数も減らすことができるのでそういう影響もあるみたいです。
流体力学、むずいっすね…
僕の結論
『30~40mm』
ある程度エアロで、ある程度横風の影響も受けづらい(という記事を何個か読んだことがある)30-40mm前後としました。
リム素材
カーボンかアルミか、それが問題だ…
重さ
同じリムハイト, リム幅であれば、カーボンの方が軽い傾向にあります。
価格
基本的に、カーボンの方が高いです。
快適性
有無を言わさずカーボンの勝ちです。
フレームと同じく、アルミよりカーボンの方が衝撃吸収性が高く、疲れにくいです。
僕は、アルミフレームバイクをレンタルで250km以上走行した後、カーボンフレームバイクを購入しました。
その時の快適性の差には本当に驚きましたし、今でも忘れることが出来ません。
まるで違う乗り物に乗っていると感じるほど、路面のガタガタが伝わってきませんでした。
少なくとも10時間。長ければ数十時間乗り続けるブルベ用ホイールだからこそ、快適性が高いカーボンホイールを選ぶことは重要と思います。
特に素人は。機材に頼っちゃいましょうよ。
参考
こういう考えもあるよ。という参考情報です。
こちらの動画は、同じ価格であれば、アルミホイールの方が、ハブ/スポーク/組み方 などなどの質が上がる。という内容です。
要は、自分がどこに比重を置くかだと思います。
僕は秒単位で速さを追い求めるのではなく、快適に走る時間を時間単位で増やしたいので、同じ予算の中でカーボンを選びました。
僕の結論
『(出来るだけ)カーボン』
予算の範囲でもしカーボンがあれば、カーボン!
無ければ、泣く泣くアルミです。
リム外幅
リムの外幅には公式があります。
履きたいタイヤ幅×105%=理想的なリム外幅
あくまで最適な空力を目指した場合、ではありますが、風洞実験などで確立された式みたいです。
つまりこういうことです。
タイヤ幅 | リム外幅 |
23c | 24.15mm |
25c | 26.25mm |
28c | 29.40mm |
30c | 31.50mm |
どこまで空力を目指すか、という話にもなってきてしまいますが、知ってしまうと気になってしまうもの笑
履きたいホイールに適合するタイヤ幅を選ぶのか、履きたいタイヤ幅に適合するホイールを選ぶのか、悩ましいですね…。
ただ肝心のブルベ・ロングライド用途においては、そこまで考えなくていいと思っています。
速さより乗り心地。
リム幅気にせず太いタイヤ履きましょう。
ちなみにこの公式を知ったのはこの動画です。
動画内では主に内リム幅について多く言及していますが、正しくは上記の通り外リム幅ですのでご注意ください。
※tomiさんは分かった上で、視聴者に分かりやすい内リム幅でお伝えしていると思います。
僕の結論
『あまり考えない。但し、29.4mm前後があれば好ましい』
やっぱり太いタイヤ、履きたいんですよ…
空気抵抗下がっても、やはり乗り心地の方が優先度高いです。
リム内幅
こちらは外幅ほどセンシティブに考える必要はないです。
付けたいタイヤ幅によってリム内幅も変動させないと、と思う方もいるかも知れませんが、不要です。
大抵のホイールは、公式サイトに適合タイヤ幅が記載されています。
それで十分と思います。
僕の結論
『考えない』
けど、タイヤ適合表は見ます。
剛性
結論、僕は気にしていません。
こちらの記事を拝読したからです。
フレームやホイールの剛性はタイヤに支配されている残酷なデータ。
IT技術者ロードバイク
少し難しいので要約をすると、以下です。
■前提として、バイクは多種多様なパーツの組み合わせ出できている
■バイク全体の剛性は、多種多様なバーツの内、一番剛性の低いパーツに大きく依存する
■多少パーツの剛性が上下しても、一番剛性の低いタイヤ(空気圧)の影響の前では誤差に過ぎない
つまり、パーツの剛性を頑張って考えたとしてもタイヤの空気圧によって打ち消されてしまう可能性が高いですよ。ということです。
ホイール剛性を考慮することは意味がないと言いたい訳ではなく、他の項目に比べると考慮したとしても影響は少ないよ。ということをお伝えしたいです。
しかも剛性って、数値化しての比較が難しいです。公式で出しているところなんてないですし。
なので僕は、気にしないこととしました。
僕の結論
『全くもって考えない』
ていうか、どうやって数値化して平等に比べられるの…?
候補ホイール
やっとここに来ました!
今までの条件のもと、合うホイールを片っ端から探しました。
もちろん漏れがある気もしますが、僕の中での候補はこちらとなりました。
ZONDA DISC BRAKE
●重さ :1,675g
●リム素材 :アルミ
●リムハイト :28mm
●リム内幅 :22mm
●リム外幅 :?
定番中の定番、zondaです。
予算的にはかなり下回るのですが、有名なロングライダーの方々の中にも愛用している人はかなり多いです。
なんでもそつなくこなす。ということで、予算が15万円でも候補に入る1品かと思います。
Fulcrum – RACING ZERO DB
●重さ :1,590g
●リム素材 :アルミ
●リムハイト :30mm
●リム内幅 :19mm
●リム外幅 :23.8mm
アルミミドルグレードの定番中の定番、所謂レーゼロです。
特徴は、何と言っても作りの良さ。
G3組のスポークや専用設計のハブなど、非常に完成度が高いです。
もう少し予算があれば、同じレーゼロでもベアリングがいいモデルやカーボンモデルもありますが、15万円となるとこちらが限界。
DT SWISS – ER1400 DICUT®
●重さ :1,493g
●リム素材 :アルミ
●リムハイト :21mm
●リム内幅 :20mm
●リム外幅 :24mm
ハブ提供元として非常に有名なDT SWISSのエンデュランスモデル。
スターラチェットのハブを採用していることもあり、ハブ性能は折り紙付きです。
DICUTはエアロモデルと言う意味なのですが、リムハイトが21mmなのが少し気になるところです。
リム幅も少し狭いですが、その分レーゼロより軽いのは魅力的。
HUNT – 44 AERODYNAMICIST CARBON DISC
●重さ :1,466g
●リム素材 :カーボン
●リムハイト :44mm
●リム内幅 :20mm
●リム外幅 :29mm
ここからHUNTが続きます。
エアロシリーズの中で一番リムハイトの低いこのモデル。
44mmのハイトにリム外幅が29mmと、非常に空力的にはいいかと。
かつ、リム素材がカーボンになったため高いリムハイトにも関わらず先程の2つより軽いです。
ただ44mmが横風にどう影響するかは少し怖いところ。
HUNT – 40 CARBON AERO DISC
●重さ :1,416g
●リム素材 :カーボン
●リムハイト :40mm
●リム内幅 :19mm
●リム外幅 :27mm
名前にAEROとありますが、先程の44mmとはシリーズが異なります。
4mハイトが低くなり、若干リム外幅も狭まったことから、重量が50g減少。
非常にバランスが取れている気がします。
HUNT – 30 CARBON AERO DISC
●重さ :1,374g
●リム素材 :カーボン
●リムハイト :30mm
●リム内幅 :21mm
●リム外幅 :27mm
一つ前のホイールと同じシリーズで、リムハイトが一番低い30mmのもの。
リム幅は変わりませんが、ハイトが低くなったため42g軽量になっています。
ついに1,300g台。ヒルクライムするには持って来いですね。
買ったホイールは…
この執筆時点、ほぼ心のなかでは確定していますが、、万が一ということもあり少しお待ちいただければと思います!!
購入したらまたインプレを書きますね。
散々長く書きましたが、正解なんて人それぞれです。
ただロングライドをするという目的がしっかりしていれば、無限の選択肢からある程度絞ることは簡単に出来ます。
ホイールを購入する上で考慮する点はある程度網羅できたとは思うので、よろしければご参考ください。
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